はつ恋
「マサヤ、ボーッとしていないで支払ってよっ」
フリーダがトレーを受け取りながら、僕をつついた。
「あっと、失礼、いくらかな?」
僕は払いを終えると、フリーダのトレーを持とうとした。
「あれ?テイクアウトにしたの?」
僕はトレーにのった紙袋に目をやって、それからフリーダを見た。
「私のだけね。あなたはテーブルで寂しく待ってるヒヨコちゃんと、ゆっくりティータイムを過ごして頂戴」
フリーダはそう言って紙袋を掴んだ。
「チャオ、タクシー代は必要ないわ。十指に余るボーイフレンドの誰かに迎えに来させるから!」
彼女は魅力的なウインクを僕に放った。それから軽やかにドアを抜けていくフリーダを、僕は呆然を眺めていた。
店内の何人かの男性も、彼女を目で追っていた。本当に彼女は美しかった。