はつ恋


ジョージがマリアを送るため席を立ったのは、11時を少しまわった頃だった。


ほどなくエブリンがリビングにコーヒーを用意してくれて、僕らはそちらへ移動することにした。


ふと見るとターミーはうとうとし始めていた。


「まあ、この子ったらワインを失敬したらしいわ」


いつの間にか真っ赤になってイスに寄りかかっているターミーを見て、ジュディが言った。


「仕方が無いわ、マサヤ、申し訳ないけれど、ターミーを寝室まで運んでくれる?」


「お安い御用です、ジュディ」


僕は快く引き受けた。





僕はターミーを抱きかかえると、ジュディの後について階段を昇っていった。


ターミーの無防備な寝顔が、僕をドキリとさせた。


小柄な彼女は天女のように軽かった。しっかり抱きしめていないと浮いてしまいそうに。

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