はつ恋
どうやら僕は恋をしてしまった。
(一目惚れっていうやつか?)
29年生きてきて、初めての感情が僕を支配した。言葉は僕の意思に逆らって勝手なことを口走り、手足は長いこと油を差さなかったブリキのロボットよろしくぎこちない動作を繰り返し、彼女の一挙一動が空気を揺らす度に僕の全身の毛穴から汗が噴き出た。
しかし、僕がそれを案ずるほど相手には見破られておらず、相変わらず何気ない会話が延々と続いていた。