もしも翼があるのなら…
2日前
『ただいま。』
玄関で言うが返事はかえってこない。
奥の部屋でお母さんと3歳の妹の優の声が聞こえる。
『だからしょうがないでしょ。』
『嫌だ!!』
『どうかした?』
『ううん。何にもないよね?』
お母さんは優に言うけど優はふくれ面で違う部屋に向かった。
『実はね、優がお兄ちゃんに頑張ってってお手紙書きたかったんだけど家のクレヨン幼稚園にもってちゃってないのよ。』
いつも年が離れすぎて遊び相手にならないけどそういうことを聞くと可愛くなる。
『俺が幼稚園に取りにいこうか?』
『…本当?でも家用にひとつ欲しいから買って来てくれると嬉しいんだけど。』
『わかった。』
俺は近くの文具店に向かった。


