絶頂侍
謙也3
「唯!俺はUFOキャッチャーやるでっ!!」
唯のために、めっちゃすごいの取ってやるねん!
三つくらい一気に取って、白石に見せつけるんや!!
「宣言されても困るわ。・・・まぁ、頑張れ。」
やった!
唯に応援してもろたっ!!
俺、幸せや!!
「ほんなら、ヘスがやっとる間に俺らはプリクラでも撮るか?」
「ちょっ・・・白石、ふざけんなや。抜け駆け厳禁やで!」
「ヘスのくせして、“厳禁”なんて画数多い漢字、使うんやないで。」
「え!?そこなん!?てか、さして画数多くないで!?」
「ほんま、ヘスも厳禁なんて言葉知っとったんやな。」
「唯・・・それはいくらなんでも酷過ぎや。いくら俺でも傷つくで。」
「ヘスも傷つくんやな。知らんかったわ。」
「うっわ、傷ついたー。今、俺のハートに深さ五十センチくらいの傷がついたー。」
「そのまま、抉ってやろうか?」
「ホンマチョーシコキマシタ。サーセンッシタ。」
唯に真顔で言われると、マジで包丁とか出てきそうで怖いねん。
けど、その倍くらい優しさと、可愛さと、思いやり持っとるから許せんねん。
ほんま、唯はかわええなぁ・・・。
「ヘス、顔ニヤケてるで。めっさ酷い顔や。」
「うわっ、ほんまや、目が腐るっ!!」
「お前ら、言いたい放題いいすぎや!あんま言うと泣くで!!!」
「・・・さぁ、唯。あんなヘスは放っておいて、プリクラ撮りに行こか。」
「せやな、もう別にええよな。てか、ヘスって、誰?え?忍足謙也?知らんなぁ。」
「ほんまにすみませんでした!!せやから、置いて行かんといてっ!!俺も一緒にプリクラ撮らせてっ!!俺のこと忘れんといてっ!!」
「もう忘れた。今忘れた。遥か彼方記憶の奥底へ・・・」
「やめてええぇぇぇぇえええ!!!!」