Three End
once





ミーンミンミンミンミーン



セミの鳴く声が響く。


「うっとうしいな…」


と呟きながら、まわりに畑と農家しかないつまらない道を歩く。



それにしても暑い。
もう9月になったというのにまだ暑い。



「おはよう!…ってなぁに変な顔してんだよ?もともとブスなのにさらにブ……いでっ!?」


「うるさい」



私は、いきなり失礼なことを言ってきた優の頭を持っていた水泳道具で殴った。


すると、暑さもゆらぐ冷たい声が上からやんわりとふってきた。


「まぁまぁ。沙緒里も優も落ち着いて下さい…ねっ?ただでさえ暑くてうっとうしいのによけいうっとうしいですよ?」



「美月は本当に毒舌だよな!顔はいいのに………いだっ!」


美月が優を殴る。


「まったく優は…本当に死ねばいいのに…」


「ひどっ!俺泣くよ?ねぇ沙緒里!美月ひどくね?」


「はいはい。優も美月も早く学校いくよ?」


泣きついてくる優を軽くあしらいながら私は歩く速度を早めた。


何も変わらないいつもの日常。だけどそんな日常に幸せをちょっぴり感じる。

こんな毎日がずっと続けばいいのに……。大人になっても、ずっと………。





    
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