月夜の散歩
そんなあたしに手を差し伸べてくれた兄には感謝している


あれはまだあたしが幼い頃…部屋に閉じこもるあたしに兄は言った


「ひーちゃん見てご覧…月が綺麗だよ」


そしてあたしを無理やり庭に連れだすと夜空を見上げて言った


「月にパワーを貰おう…こうやって」


両手を広げて月の光を浴びる兄はとても美しかった


「月夜の散歩」のきっかけをくれたのは兄だった


なのにあたしの心は頑なに拒む


『受け入れてはいけない』
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