月夜の散歩
あの人のところに行ってるんだ


気まぐれにあたしと付き合ったんだきっと


ただの暇つぶし…


誰だって大人の綺麗な人がいいに決まってる…


バカなあたしやっぱり彼氏なんて作らなきゃ良かった


兄にそっと頬を撫でられて初めて気づく


あたしは泣いていた


「なんでぇ…なんで涙なんか…うっ…ふえっ…」


兄があたしを抱えて通路のソファーに座らせる


トントンと背中を撫でる
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