月夜の散歩
まさか2人が兄弟だったなんて…
「千歳…陽菜を返してくれないか」
「ふっ…イヤだと言ったら?」
「ちーくん?何いっ…」
あたしの言葉を遮るようにすっとあたしの前に手を出した
「意地でも取り返す…陽菜は俺の女だ!誰にも渡さねー」
そう言って千歳を睨みつけた
「ふっ…わかったよ返すよ…俺じゃダメみたいだからな」
「陽菜ちゃん…幸せになれよ…あいつに泣かされたら何時でもおいで」
あたしの頭を一撫でするとすっと離れていった
「じゃあまたね…」
あたしが歩き出すのを静かに見守る