僕が僕でなくなる前に。
死神に命を沢山食べられた人間は死ぬ。

そしてその人間は今度は死神になって人の命を食べる。

僕はこの先もずっと人間のままでいたかった。

死神になっても苦しくないよなんて言ったら嘘になる。

君もこうして死神になったのかな?





視界が霞んでくる。もうすぐ時間が来るのかもしれない。

人間でいられるのはあと少し。

人間の内に言い残したい事、それだけを言わせてくれる時間を下さい。


「僕は君を愛していました。罪から逃げているならば、その必要はないよ。
だからこれからも人間でなくなった僕の傍にずっといて欲しいんだ。
同じ死神だから関係は前のようにはうまくは行かない。それでも!」
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