牢獄の姫君




「…毒を………もられたって聞いた………宮廷で聞いた…」




「…平気よ…。1日で胸が苦しいのは…おさまったし……………」



「─…犯人は…」



「いいの…つらくなるだけだから」



「フローラ…─」



ジャンはフローラの頭をそっとなでた。




「─…私、なぜか長くは生きてないような気がするの………」




フローラの肩を抱く黒い影の青年を思い出した。




「……何を言うんだよ!まだ二十歳にもなってないのに…」



「…」



「─……疲れたわ…。少し寝むる…」


「…あんまり変なこと考えるなよ。また明日くるよ」

「義母に見つからないようにね…」



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