ハジマリノウタ。
ロスト。
アスナは深い眠りから覚めた。

眠りから覚めたそこは、あまりに鉄臭く、人一人が入るスペースがある隔絶された場所。

『コクピット』

アスナは今年で十六歳になるが、そんな幼い少女には、あまりに重苦しい言葉だ。

高さ十五メートル、重さ二トン。研修の時、丁度、一年前にこの戦闘用ロボットのことについて、勉強したときに知った。

このかほそい白い腕で動かしているだと思うと、違和感があって仕方なかった。

ただ、もうこれを乗り、戦うことができる者が数人しかおらず、その中にアスナが含まれていた。

ただそれだけだった。
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