時空奏者
「ここにいるのは、大体が野蛮な奴だ。
エレンを見たら分かるだろう?」
「はい!」
―――そこは全力で頷かせてください!!
「正気な奴なんかここにはいない。
ただ、喧嘩がしたい。
有り余る力を試したい。
そんな奴等がここにいる」
「…はい」
「ま、中には違う理由で
ここにいる奴もいるけどな」
ふわりと優しく笑うカグラ。
「…あ、あの」
「何か?」
不安げにカグラを見るハルカ。
「やっぱり、カグラさんも見ましたか…?」
「…何がだ?」
見られてなければそれでいい。
そんな願いを言葉に込める。
「あたしの、調査書を、その…最後ま」
「あぁ読んだ」
ハルカが最後まで言い切らずに終了した。
―――こんな美しすぎる人にまで
最悪な情報が流れているなんてっ…!!
一生の恥!!
「言いにくいが、
それなら上の人間はみんな見てるぞ?」
―――あ、そうなんですか。
あたしの体重も成績も
何もかもがバレてると…?
「あはは、はは…ははは……」
まさにチーンという音が聞こえそうなハルカ。
「気にするな」
できるわけないでしょ!
と睨みつけるハルカ。