時空奏者



「あとでエレンを
懲らしめないといけないか…」



不穏に笑うカグラ。



―――なんでだろう?
目の前に般若(はんにゃ)がいるよ

今何か言うと大変だから
良い子の皆は、ほかっとこうね!



「アクアは綺麗に言うと
悪いやつをとっつかまえて
懲らしめる組織」



少し元に戻ったカグラが
ポツリと言った。



「って事は…警察?」


何となく分かってきたようなハルカには悪いが
いや、と否定するカグラ。



「…じゃあ、なんですか?」



「ある特定の人の為に
自分の身を投げ打ってでも守り
…その為になら
人が何人死んでもいいっていう組織。」



「!?」



冷たく笑うカグラ。



「ま、人が死ぬのは
あんまりよくない事だから極力しない。

だが、アクアが潰れる危機になる
というのなら殺す」



そこには獣の目をしたカグラがいた。



「大丈夫だ。ハルカが誰かを殺す事はないし
そんなとこを見る時間もなく
ハルカはここを去るだろうから」



「…怖くないんですか?」


「ん?」



―――人を殺すのは、
そこにどんな理由があってもダメだ。
もっと穏便にできないものなのか。

力ではなくて
言葉と心で分かり合えないのか。



「だって…!そんな……」



「ハルカは優しいって聞いたが、本当だな」



カグラにはもう、獣の目は宿ってなくて
優しい目がそこに宿っていた。



そんな事より
何の情報か気になるハルカ。



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