くじら

























「先生っ」





砂浜に先生はポツンといた






馬車から降りて砂浜にむかう、






ザザァと波の音がする
先生は困った顔で笑った。




「瑠璃子さん自由すぎですよ、」



「……先生こそ、自由ですよ」






たしかにと、頷いた
髪が風になびいた



何も言わない顔が
きれいだと思った



「もう夏ですね。あ、先生っ。…あの言いそびれたんですが、その…、」






―結婚式には一緒に。





「何か頼みですか?…」




「その、ですね。私の知り合いが、結婚するんです。その方は私の姉みたいな人でっ…、相談にも乗って下さって…」




何を必死になってか私はつい大声になってしまった






「…君が諦めないと約束した人ですか?」




諦めない。




聡子さんとした約束



先生は覚えていてくれた。



「その人です、出来ればその一緒に……」






なに言ってるのよ わたし



こんな無茶苦茶なこと





「……いいですよ。」




「ええっ!先生…」





あっさり先生は頷く


わたしは口を
ポカンと開けたままだった






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