くじら

*ふりまわすのは、…


―幸せに出来るとでも思ったのか




―思い上がるな。何も出来なかったくせに



―何が悪い。

そんなに大切なら、放って置くのが悪いんだよ











































全て話す……


と先生が言った。






今日はとりあえず家に帰る…事になった。








母様と一緒に馬車を待っていると…





「瑠璃子さん!」


通りがかった馬車から声がした




「…あやこさん?」


馬車は近くでとまり
彼女はさっさと馬車から降りてきた




「今晩わ。瑠璃子さん、四条の奥様」



「今晩わ。二階堂様、瑠璃子のお友達?」




母様は 私と綾子さんを見ながら聞いた




私はえぇと頷く




「ならお話なさい、私はちょっと外すわ」





ふふと母様は言い須藤のお屋敷に行った




「ごめんなさい。ちょっと声かけただけなのに…」




綾子さんはばつが悪そうに笑った


「いいえ…。綾子さんはお出かけ?」




時間は7時くらい。
夜中に令嬢が出歩くにはぎりぎりの時間。


「えぇ、織人さぁん。」



馬車の中からぬっと人が出てきた




「綾さん。…うるさい」



黒髪に洋装をしていた男の人が言った




「こちら綾部織人さん。私の婚約者なの」



綾部って綾部伯爵の……!



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