くじら
「…怒らせてしまいました。いけませんね、つい…」
「……先生、何を…」
女性を家に呼びする事
怒らせて出ていかせた事
口に出したくはないけど
何となく 気付く。
ソロリと
先生は背中を返した
紺の着物は 前が
はだけて 先生の肌が見えた
つい後ろを向いた。
「瑠璃子さん、」
わかる わかる
先生は あの人と……
「……すいま…せん。お邪魔してしまいまして、先生。気付かないで…」
頭が混乱している。
―みたくないものを見た