くじら



「これはお土産ですか、ありがとうございます」





「は、…はい」



私は後ろを
向いたまま答えた、



お土産をほっぽり
出してしまったのだ。






「わざわざすいません。」





先生に申し訳なく
思いながらも






先生の顔を見れない


先生は男。




「すいません、瑠璃子さん。醜態を見せて…、」












「あ、……謝る事は、ないです。先生、…わたしが悪いだけです。私が…勝手に…」







勝手に先生を
いい人だと思っていた





勝手に、先生は
そんな事はしないと


思っていた





勝手に先生に憧れを
押し付けて 見ていた






「………かえります、すいません。」





「僕がこういうことをしないと思ってたんでしょう。瑠璃子さん」
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