ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
「なぁ、有坂… 俺がいつ、お前に、『信じてくれ』って頼んだ?」


 両口角をほんの少し上げた、その薄い笑みは、蔦山さんの中の多種多様な感情が入り乱れ、とても複雑で、歪んでいるように映った。


「頼まれなきゃ、信じちゃいけねぇなんて法律あったっけ?」


 精一杯の憎まれ口を叩いて、俺は面会室を出た。


 結局、何も聞き出せなかった、時間の無駄だったし。


 蔦山さんが、そう簡単にしゃべる訳ねぇか。


 携帯を開いて時間を確認する。


 9時43分。


 10時には署に居た方がいいな。


 俺は一旦、署に戻ることにした。




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