ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
「それを確かめに、小手川を連れ出したって訳か。」


「ああ、だが小手川は本当に何も知らなかった。」


「それなのに殺ったのか?」


「いいや、シロだって分かったら、すぐに帰したさ。」


 そう答えて杉下は俺を直視し、その目は嘘をついていなかった。


「じゃあ、尾藤グループは? 三人を殺ったのは、尾藤グループの雇った殺し屋だ。」


 俺はそこが一番知りたいね。


「俺たちもついこないだまで、渡されたヤクは上物だと信じ込んでたんだ。尾藤もそう思い込んで横取りを企んだんじゃねぇか?」


「どうかな。」


 ヤク横領ごときに、谷口さんの妻子を誘拐したり、兄貴に殺しの罪着せたり、そんな回りくどいことすっかな。


「すり替えたのが、小手川たちじゃないなら、誰なんだ?」


「さぁな。でも親父は心当たりがあるみてぇだった。何か策があるらしいが、それはさすがに側近にしか聞かされてねぇんだよ。本当だ。」


 杉下の知ってる情報はこれで全てだ、間違いない。


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