DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
そして――


月日は流れ…… 


私と伸也さんは、正式に、結婚することが決まった。 

一人娘の結婚に反対するかと思っていた両親も、誠実な伸也さんを一目で気に入り、手放しで喜んだ。


『娘を嫁に出すときは、父親が頑として譲らないもの』と母から聞いていたけど、我が家ではまるっきり違った。


「お父さんも昔、苦労したからなぁ……」


遠い目をした父が、呟いた。


やはり一人娘だった母と学生時代から交際していた父は、母の父・つまり祖父から猛反対を受けた。


なかなか顔を合わせてくれないときも足繁く通い、母に対する想いを切々と語った。


ときには、手紙にしたためたことも。


「娘の幸せを望まない親なんていないよ。めぐみが自分で決めた相手だ。いいんだな?」


そう、私なりに真剣に考えた結果だ。


この決断に、後悔するつもりは、ない。




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