“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「いいかげんにしなよっ!!」

自分で自分に腹が立ち、

バンっ!!
浴衣を床に叩きつける。


でも…

「あっ…」

すぐに我に返り、浴衣を急いで拾い上げ、

パンパンパン…

埃を払い、

ふぅ…

胸の中、ギュッと抱きしめる。



だって…これは―――

去年の花火大会で…


家に迎えに来てくれた凌が、大きな目を細めて

「似合うじゃん」

そう言ってくれた、大きな花が描かれたピンクの浴衣…なんだもん。

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