君まで2ステップ
曲がり角を曲がったところに、梨亜を見つけた。



「梨亜っ!!」

「え?」


俺を見て動きが止まる梨亜。
そのおかげで俺はようやく追いついた。



「なんで…無視すんの?」

「無視なんかしてないわよ。」

「じゃあ…この距離は何?」

「えっ!?」


俺と梨亜の間にある妙な距離。
いや…まぁ…ベタベタ近付くことなんかできねぇけど、今は不自然なほど開いてる。
俺が近寄ろうとすると梨亜が1歩引く、そんな感じ。


「俺…なんかした…?」

「別に…そうじゃないけどっ…。」

「じゃあ何?」

「なっ…なんでもない!!あたし、帰るんだからついてこないでよね!!」

「無理。家隣だし。」

「もーっ…じゃあ先帰って。」

「だからなんで?何?俺、梨亜に避けられるようなことした?」

「してないってば!!」


結構大きめの声でそう叫んで、マンションのエレベーターに駆け込む梨亜。
俺も負けじとエレベーターに滑り込んだ。

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