君まで2ステップ
「んっ……。」



むくっと顔を上げてゆっくり周りを見渡すが、寝ぼけてるのか焦点が合ってない。
しばらくするとまた、ベッドに伏せた。
少し顔がこっちを向いている。



「なんだよ…びっくりさせんな…。つーか…。」



ホント無防備だな…梨亜。
他の男の前でもこんな顔晒して寝たりしてんのか?

そんなことを考えると、なんだかやりきれなくて行き場のない想いだけが頭の中を駆け巡る。

やっぱり今、改めて告白しても、答えは3年前と変わらないのか、梨亜…?
俺は…梨亜にとっては一生『年下のガキ』で、恋愛対象にはならないのか…?
ずっとそばにいて、ずっと梨亜だけを想い続けてきたっていうのに…

諦め…らんねぇんだよ…梨亜…。
たとえ梨亜の口から出る答えが一生変わらなくても、ダメなんだ俺。
どうしても梨亜がいい。梨亜が好きなんだよ…。



言葉に出来ない想いばかりが募って、余計心臓が苦しくなる。
ただでさえ高熱のせいで苦しいってのに…


俺はゆっくりと体を倒し、ベッドに横になった。
眠る梨亜に顔を寄せて…


「どうしても…俺じゃ…ダメなのか…?」

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