君まで2ステップ
そう言って梨亜の顔を見つめた瞬間、再び目を開けた梨亜と視線がぶつかった。



「ふぇ…?はっ…晴輝っ!!顔近い!!顔近いから!!」


そう言って思いっきり後ずさる梨亜。
繋がれていた手も一気に離れる。
そういう風に反応を返されるって分かってはいるけど、実際されると切なくなる。


俺は体を起して、布団から出て、ベッドから足を出して座った。


「ごめん…。
だって梨亜があんまり無防備な顔で寝てるから…。」

「へっ!?」

「触れたくもなるっつの。
まぁ実際何もしてねぇけど…。」

「何もしてないってそんなの当たり前でしょ!?
ていうか何かしてたら絶対許さないんだから!!」

「だから…何もしてねぇって。
というか梨亜、何で俺の部屋にいんの?
今日クリスマスイブだろ…?
梨亜だったら普通に予定も入ってるんじゃねぇの?」

「こっ…これを返しに来たのよ!!」


差し出された俺のカーディガン。


「ああ。サンキュ。
でも、今日じゃなくても…つーか俺に直接渡してくるとは思ってなかったんだけど…?」

「あたしだって晴輝に直接渡す気なんかなかったわよ。
だけどはるママが晴輝に直接返しなさいって言うから…。」

「母さんが?」


母さんのやつ…何企んでんだ…?

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