空に叫ぶ愛
妙に体が火照る。

顔が熱い。


……これも恋のせい?



「今日はもう解散する?」


「そうやね。暗くなったらなんも見えんくなるけん」



翔と若菜の会話で思い出したけど、ここらへんは田舎過ぎて街灯もない。


夜になると何も見えなくなってしまう。


月の明かりなんて役に立たない。



「じゃあ、俺は愛を送って行くけん。翔は原田を」


え?


「了解。若菜、行くぞ」


えぇ?


「愛ちん、バイバイ」



笑顔の若菜と翔をポカーンと見送ると不意に空を見た。


空は私を見下ろして首を傾げている。


二人きり?


いやいや、今さらでしょ?


朝行く時とかさんざん二人きりになっていたんだから。


でも、なんでだろ……


胸がめちゃめちゃドキドキしてる。
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