空に叫ぶ愛
朝のHRが終わると、空がすかさず後ろを向いて来た。



「愛、なん…」


「トイレに行って来る」



わざと、空の言葉をさえぎるように私は席を立つ。


私の後ろ姿を空が見ていると思うと、どうしようもなく胸が痛い。




もう、

話しかけないで……




トイレの中に入ると、涙を流さないように上を向いた。



泣いたら、もっと空が話しかけて来る。


優しい空のことだから心配してくれてさ…




苦しい。




空が好きなのに……!




本当は



誰よりも空に好かれたい。

誰よりも空に近い存在でいたい。

誰よりも話していたい。





誰よりも、誰よりも。





空の特別な人になりたい。
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