空に叫ぶ愛


時計を見て、チャイムが鳴る寸前で教室に入った。



「愛ちゃん、まさかのうんこ?」


「下品。しかも違うから」



翔と会話をしている私に熱い視線を向けて来る空に気づかないフリをする。


視線が、痛い。


でも、しょうがないよ。


若菜も大切なんだから。




今日から1週間テスト。


だから空が授業中に話しかけて来ることはない。


10分休みはトイレに行けば、大丈夫。


空を避けることができる。

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