空に叫ぶ愛

ドキドキしながら空の言葉を待つ。


もし、そう思っているなら…


──なぜ、そう思ったの?



「もう思ってません。…生き甲斐を見つけましたから」



生き甲斐?


〝もう〟って事は思ってたって事だよね。


優しくて、いつも明るく振る舞っている空でも何かを抱えてて、頑張ってるんだ…。


空は「ありがとうございました」と言うと保健室を出て行った。



「だってさ」



顔を上げると先生と視線がぶつかった。


見てたのバレてた……?



「金子はね、前まで君と同じように死にたいって、生きてる意味がないって言ってたんだよ」



「…………」



「でも、急に真面目に学校に来だして。保健室にも来なくなったし。で、久しぶりに会ったら生き甲斐を見つけましただって」



先生は「フッ…」と笑うと目がねを人差し指で上げた。



「人生、何があるかわからないよ?」
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