空に叫ぶ愛
顔を手で隠している空に聞こえないように私はため息をもらす。
「別にいいよ。私、歩くから」
そう言って歩き出す。
そうよ。別に私は空に運んでもらおうなんて思ってないんだから。
ただ、道案内さえしてくれれば……
「愛!」
ビックリして空の方を向く。
「はよ乗れ…」
空?
「無理しなくていいよ」
「無理なんかしとらんっ、はよ乗れって」
なんで?
なんで初対面の私にそこまで…
――…優しすぎない?