空に叫ぶ愛

「ちょ、ちょっと待って!」


「ん?」


「お姫さま抱っこは、ちょっと……」



恥ずかしい…


てか、恥ずかしがっていない空が私は不思議でならない。



「じゃあ…どうすればいいと?」


「え?……おんぶ、とか?」



咄嗟に出た答えだ。

正直、おんぶも恥ずかしいけどお姫さま抱っこよりはまだマシだ。


と、思ったのは私だけだった。


空を見ると顔が真っ赤に染まっていて。


どうしたの!?



「おんぶとか……無理!」


「え?なん…」


「絶対、無理やけんっ」



そんなに拒否する?

普通はお姫さま抱っこの方が恥ずかしいと思うけど……



「だって、む…む…」


「む?」


「背中に胸が当たるやんっ!」



顔を真っ赤にして言った空に、思わず吹き出しそうになったがギリギリこらえることができた。


顔を真っ赤にして何を言うかと思ったら…


健全な男の子でしょ?

…純情な乙女か!
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