空に叫ぶ愛
探しても探しても、どこにもいない。

海も探してくれたけど、見つからない。


怖くなった。


このまま愛ちゃんが見つからなかったら、って考えると。


胸が張り裂けそうに。


だから、最後にあの川に行ったんだ。



「愛ちゃん…」



そしたら愛ちゃんは泣きながら大きな石の上に座っていたんだ。


すごく、安心した。

良かったって。



「空くんっ…」


「ん?」



あまりに悲しく震えた声で呼ぶもんだから、どうしようもなく泣きそうになった。



「ママとパパはっ…愛が嫌いなのかな?」


「え、なんで?」


「どうして…迎いにきてくれないの?……会いたいよっ…」



多分、あの時の愛はホームシックで寂しかったんだと思う。
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