空に叫ぶ愛

先生は私が学校に行ってなかったことを知ってて、わざと私を当てたんですよね?


それで恥をかかせようとしたんでしょ。


……残念でした。

勉強ぐらい、やってたし。


クラスがざわめく。
だけど、気にしない。



「愛、どうしたん?」


「別に……」



上木先生は切り替えて授業を再開した。



──私には、

生きている意味も
生まれて来た意味もない。


きっと、生きている意味と生まれて来た意味を答えられる人はそういないと思う。


だから私も大勢いるうちの一人ってわけ。


だけど、

私は人生さえも諦めた。


人と違うのはそれだけ。



ただ、ひたすらに人生の終わりを待ちながら誰も信じずに生きていくつもりだったの。



――君に出逢うまでは。
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