幕末異聞―弐―
七章:氷雨太夫


「枡屋はん毎度おおきに。
本日はうちの新しい太夫を枡屋はんに是非可愛がっていただこ思いましてね」

「ほぉ?それはおもしろい!どれ、どんなものか品定めしてやろう!!」


「おおきに。ほな、入ってよろしおすよ」




(なにが品定めだ!)


「氷雨太夫どす。今夜はよろしゅうお願いします」

「おお!!これはこれは…随分と上物の太夫じゃな!面を上げてよいぞ」


(うはッ!豚やん!!)


「氷雨太夫は舞を得意としてはります。よろしければ舞わせましょか?」


(無理無理!!何言っとんの?!もう忘れたって!)


「はっはっは!舞は好きだ!よし、舞ってみろ!」


(黙らんかーー!!)



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