素直になれなくて
次の日、いつものように保健室の窓際で勉強をしていると、ガラスを叩く音がした。
窓に顔を向けると、そこには体操服姿の遼平がいた。
「!」
「夏美ちゃん、おはよ」
昨日と同じ笑顔で、話し掛けてきた。
「今さ、体育の授業中なんだ。これから100メートル競争やるから、ここから見てて」
「…」
窓からは、グラウンドの全体を見渡せる。
「じゃ!頑張るね」
ヒラヒラと手を振り、遼平くんはグラウンドに戻って行った。