猫になって君にキスをして

「あ~、オモシロかった!」


満足気に伸びをする紗希のへそを見つめて、オレは「にゃ」とつぶやいた。


「あ、猫ちゃん、オモシロかった?」

「……」


紗希の尻のクマのほうが気になって、テレビの内容まではしっかり覚えていない。


「にゃにゃ」(尻が気になって)

「そう、どのへんが?」

「にゃにゃ」(その、プニプ二加減が)

「やっぱりね、変態」

「にゃ」(悪かったな)

「あの変態っぷりは、ケンちゃんじゃないと出来ないわよね」

「にゃ……」(だよね)


通じない。

やっぱり猫語じゃ会話はできないのだ。

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