猫になって君にキスをして

人間の姿で、そして人間の唇で触れる紗希の唇は柔らかく、とても温かかった。


嬉しくて仕方がない。

可愛くて仕方がない。


興奮したオレは再び鼻血を流し、そして再び下半身が反応した。


「この変態!!!」


もがく紗希が、ボンボンとオレの肩をどついてくる。

ほっぺたも何度も叩かれた。

しかしその表情はくしゃくしゃに崩れ、こぼれるような笑顔だ。

叩かれているオレも、バカみたいに笑顔だろう。


変態でもなんでもいい。

こうして紗希と居られるなら。


人間の姿で、紗希にキスをする事ができるなら。


オレ達はしばらくの間、そうしてゴロゴロと床を転げまわった。

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