愛しいわがまま。
"「「はる?」"
電話の向こうから聞こえた遥を呼ぶ声。
"はる"
そう呼べるのはありさちゃんだけ。
「…………なにそれ…」
その場にしゃがみ込めば、見慣れない綺麗なパンプスを履いている自分の足が目に入る。
「……馬鹿にすんな」
投げやりに自分の足を飾るパンプスを叩く。
タクシー代返せ馬鹿
この無駄に高かった服も靴も
どうしてくれるのよ
どうしてありさちゃんといるの?
どこにいるっていうの?
どうして"今日"そんなことができるの?