愛しいわがまま｡

亜梨紗ちゃんも同じなのかもしれない｡


遥のことが好きで 本当に好きで
苦しくて、自分を見てほしくて｡


でもそれ以上に､どうしても

遥が自分から離れていくのが怖いんだ。




｢凌ちゃんだって､本気じゃないんでしょ？
だって貴方には他にも……遥じゃなくたっていいでしょ！？｣


言いたい事だってあるはずなのに､口が思うように動かない。
目線すら動かせない。


すると亜梨紗ちゃんが
ようやく私から目を逸らした｡




｢はると付き合ってたってこれ以上長くは続かないよ
どーせそのうち､凌ちゃんも捨てられる｣


"これまでの女と同じようにね"


｢………｣

私はただ見つめるしかできない｡


｢今のうちに自分から別れちゃえば、少しはﾌﾟﾗｲﾄﾞが守れるんじゃない？｣


そう言い残して、
亜梨紗ちゃんは去って行った｡