愛しいわがまま。



――――……



お昼休み、私のケータイが光った。

相手は検討がつく。





「…やっぱり」


メールの送り主は 遥。



「遥くんから?」

横からケータイ画面を覗く愛那に頷く。




"帰り、迎え行くから教室にいて"


「仲直りのチャンスじゃん♪

「…………」

愛那を無視して私はすぐに遥への返事を送った。


"ごめん。今日は愛那と帰る"





「……、私って凌ちゃんと一緒に帰るんだ?」

"そんな約束したっけ"と、


笑ってはいるけどその笑顔が怖い愛那を見て、私は"ごめん"と苦笑い。



「……それでいいの?」

真剣なトーンになった愛那。


「これがいいの」

私も真剣に答える。





分かってはいても、なかなか向き合えない。

所詮、時間稼ぎのための悪あがきだ。


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