愛しいわがまま。

「凌の本音が聞きたい」

"もっと責めていいから"


「………」


(そう言われたって困る。)


黙り込む私に遥はまた口を開いた。


「俺はどんなに言われても凌が好きだ」




………は?


すぐに言葉を理解できず唖然とする私に遥は弱々しく微笑んだ。



「俺は凌を苦しめてばっかだし
その事に気付けなかった。

きっと俺が離れれば、凌はラクになる」


…私だってそう思ってた。
遥から離れたら、この苦しみからも解放されると。



「でも 俺は凌を放せない」


…ねぇ、

さっきから何を言ってるの?


「ふざけないで…」「ごめん」

遥を睨む私。一方、遥は相変わらず私の腕を掴みながら真っ直ぐに私を見つめている。


「我慢ばっかさせて、不安にさせてごめん。
何回も1人で帰らせてごめん
助けてやれなくて ごめんな」

「…………」


(遊輝が何か言ったんだろうか。)


「家まで来てくれてありがとう
何回傷ついても、信じてくれてありがとう」




「もう、絶対 凌を傷付けたりしない」



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