With ~一緒に~

「だから、何度も言ってるだろ?
証拠もなしに行ったって、違うと言われれば引き下がるしかないんだ。
それじゃ、歩美の仇は取れないんだぞ」


航君にいさめられて、片岡君は「くそっ」とつぶやき、肩を落とした。



どうやら私の知らないところで、朝から同じやりとりが二人の間では何度もあったらしい。



「だったら、俺自身を攻撃してくりゃいいじゃねーか。
くそっ!直人のヤロー……」


片岡君は、真崎君が犯人と信じて疑わないみたいだったけど、私には信じられなかった。


あの温厚で、優しい真崎君がそんなこと……

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