With ~一緒に~

「やっぱりあいつが!」


すぐにも教室を飛び出して行こうとする片岡君を、私はなんとか引き止めた。


「みんな、想像力豊かすぎだよー!
森先生が聞いたら泣いて喜びそう!
でも、証拠はないんだから、ね?」



私はわざと明るくふるまった。


真崎君があの日別れ際に言った言葉は、私の心の中だけにとどめておこう。


あれだって、なんの証拠にもならないもの。


これ以上、みんなに疑惑の目を真崎君に向けさせちゃいけない。


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