恋の種
先輩は、餌の場所、ブラシ、散歩用の紐など、タマの世話に一通り必要な物の置場所を手際よく説明していく
「俺ん家さ、マンションだから、こいつのこと飼ってやれないんだ」
「いつからここで飼ってるんですか?」
「………」
「先輩?」
「いつだったかな……忘れた…、でもちゃんと学校には許可取った」
私に抱かれたタマはペロペロ私の顔を舐めてくる
「…やっぱ似てる。里緒菜ちゃんとタマ」
先輩はそう言って、楽しそうに笑った。