六年一組、本紛失事件
「うん、じゃないだろう。『はい』と言え!」

 高基教諭の言っていることは間違っていない。その通りである。

「は~い……」

 アリスは嫌々返事をした感じである。高基教諭はアリスの一言が癇にさわったようだ。顔を真っ赤にした。

「おい、モデルかなんか知らね~が、目上の者に対して、おちょっくた言い方はないだろう!」

「前の先生とはこんな感じだったよ」

「ナニ? 前は知らねーが俺の前では改めろ!」

「……アラタメルって? 暖める? 私、あんまり頭よくないからわかん~ない!」

「だから、『はい』って言って従えばいいんだ!」
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