六年一組、本紛失事件
17 探偵団の初仕事
 馬屋に連れられて、六年一組の生徒が多く住んでいる団地に着いた。

 十階建ての団地が十棟もあるのだ。

 まずは一号棟からである。

 四人はエレベーターで十階まで上がった。

『飛騨』と表札には書かれている。

 馬屋はチャイムを押した。

 少しして、ドアが開いて、慶子が顔を出した。

「あんたたち何のよう?」

 慶子は犯罪者でも見たかのように、冷たい視線を向けた。

「本を盗んだか?」

 馬屋はひるまずにストレートに質問した。

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