六年一組、本紛失事件
「えっ? 何で……」

 桃香は小さな声で反論したが、誰にも聞こえていないようだ。

「先生、交代してください」

 美紀子は目に涙をためていた。

「林! 勝手なことを言うな! クラスの意見がお前に学級委員を推薦したんだぞ!」

 高基教諭は言った。

「できません……」

「誰も初めからできるやつなどいないぞ」

「五年生のときも学級委員でしたので、今年は誰か他の人に……」

「だから、お前が選ばれたんだ。喜んでやれよ!」


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