六年一組、本紛失事件
40 六年一組の教室内
 六年一組は番長だった高蔵が子吉沢に負け、雰囲気が変わっていた。高蔵の言うことなど誰も聞かなくていいのだ。

 高蔵は席で下を向き呆然とし、子吉沢は寝ているかのように机につっぷしていた。

「おーい!」

 教室のドアが開いた。

 須葉留だった。教室を出て行ったことなど知らないが注目した。目の前で大きな声を上げたからだ。

「どうした?」

 木村は言った。

「すごいことが起こったよ!」

 須葉留は教壇の前にきて、秘密をみんなに話したくてウズウズしている。

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