六年一組、本紛失事件
「給食委員やりたい人?」

 美紀子は段々と調子がよくなったのか。積極的になってきた。

 給食委員の仕事は主に給食の始まりのあいさつにおかわりのスープ類を給食室にもらいにいくのが役目である。早くいかないとおかわりがなくなるので、力のある男子が適任だ。

「はーい。ツトムがいいと思います」

 と、高蔵は言った。笈滝はいきなり席を立った。

「僕がやります」

 笈滝は体も大きいので適任である。高蔵に推薦されては、断ることなどできない立場だった。

 しかし、女子は誰も手を上げる者はいなかった。

< 36 / 302 >

この作品をシェア

pagetop