彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「どう……いう事?」
心なしか拓海の声が震えていて。
私は目を瞑って話し始めた。
「1度だけ……拓海以外の人と寝たの。酔ってたの。行きずりの人で連絡先も何も知らない人」
――このまま騙されて下さい……
拓海の腕に力がこもる。
その腕をやんわりと解くと、意を決して拓海の不安げに揺れる瞳をしっかりと見つめた。
「だから、産めないの。でも、こうなった以上は拓海とも一緒に居られない」
「居られない?」
「拓海と一緒に部屋で過ごす事も……仕事も辞めようと思う」
「奈央……」
「もう、決めたの」
ごめんと頭を下げると、拓海が拳を握りしめている。